EVOのときは芯出しやりました。もうそれこそ何回もやりました。
![イメージ 1]()
![イメージ 2]()
![イメージ 3]()
![イメージ 4]()
ここ、オイル通るとこだからなあ。
![イメージ 5]()
![イメージ 6]()
![イメージ 7]()
なぜって下手クソで何度やってもダメだったもんで。
ですが何度目かの時にはそこそこうまい事芯出しができるようになりました。
EVOと違い、ツインカムのクランクはナット締めじゃなくプレスインタイプです。
果たしてできるもんなのか?
やってみましょう。
ちなみにですね、私んトコは板金屋です。旋盤とかないんですよ。
プロが使う検芯台も持っておりません。
芯出しはVブロック使ってやっております。
そんなやり方で本当にいいのかどうかは分かりませんが、
そんな芯出しで私はサーキット行ってはブン回してしまうわけです。
まず前段階として私の芯だしモドキの方法の説明を。
芯出しのやり方は極めて単純です。
Vブロックでベアリング周辺のシャフトを支え、ダイヤルゲージをシャフト先端に当てます。
Vブロックには擦れ傷防止のオイルを塗っておきます。
そうしてコンロッド持ってグルグル回してやると・・・上がる部分と下がる部分が出てきますね。
それが振れの量です。
本当の振れってのは中心からの数字なんでしょうか。
そうすると出た数字の1/2が振れってコト?
Vブロック使うと検芯台で計測した場合の倍の数字が出ちゃうってコト?
よく分からない私は数字そのまんま読んで「振れ10/100mm」と言ってます。
んで、ダイヤルゲージが一番下がるところ。
そこを見つけてその部分を写真のようにこうやってシャコ万で思いっきり締めます。
そうすっとシャフトがその分上がるじゃないですか。
やりすぎたらバール2本使って広げます。
その繰り返しで、1/100を目標にします。
ピニオン側だけじゃなく、ドライブ側も同じようにやります。
なんせクランクピンでつながってるモノですから、両方に多少影響します。
片方だけなら楽勝ですよ。
誰でも何回かやってコツつかめばすぐ出来ると思うんです。
ですがこの左右共に1/100にあわせるってのが手間なんです・・・
それでも諦めずにやってると、いつか出来ます。
思うんですがどんな不器用な人間でも時間さえかければ、芯出しは出来ると思うんですよね。
ただ出来るまでに1年掛かったとか、クランクピン痛めちゃうとか、フライホイールボロボロにしちゃうとか、
そういうリスクは山盛りありますよ。
だもんで結論を申し上げますと・・・餅は餅屋。
芯出しは内燃機屋さんにお願いするのがベストかと思います。
念のため申し上げます。
「結果ぶっ壊してもいいから、どうしても一回自分でやってみたいんだ!」
こんな自己流の芯出しはそういった変態だけが行う作業です。
こんな記事見たからって真似しないのがいいです。
まずは外した状態で測った時の動画です。
1目盛りが1/100mmですから、ざっと0.1mm 10/100mm振れてますね。
サービスリミットは純正、S&S共に0.0762mm 面倒なんで7/100としましょうか。
最高でも7目盛り以内に抑えないといけないわけです。
ちなみにフューリングのオイルポンプを組む場合の振れリミットは0.0635mmです。
現在の経済状況からあんな高いオイルポンプ買えるかどうかは怪しいんですが・・・万が一の場合を考え
私的最低限は5/100mm 目指すは1/100mm以内!
これで行きます。
で、一番上の写真のようにシャコ万で血管が切れるほど締めてみましたが、
まるで数字が変わりませんでした。
EVOのトキはこれでも2/100くらいは動いたんだけどなあ・・・
EVOのときはナット8割締めで作業開始だから余裕があったのか?
プレスインクランクの精度なのか?
S&Sクランクの材料がとてつもなく反発力があるのか?
とにかくEVOの時とは勝手が違います。
なもんで油圧プレス使ってやってみることにしました。
すると・・・おお!いきなり1.5/100くらいに追い込めたじゃねえか!
油圧プレスだとちょっと不安になるくらいフライホイールが歪みます。
でもそんくらい圧かけないと反発が強くて狙った数値が出ませんでした。
気をよくした私、在庫の純正クランクもチェックしてみることにしました。
この手の作業は「習うより慣れろ。」
数やったほうが良いに決まってます。
ぶっ壊しても 『どーせオレのだし!』
失敗し放題の完全自己責任、工賃無料の時間かけ放題。
プライベーターの強みは腹の据わり方に尽きます。
ちょっと脱線しますね。
たまに、まるでプロですね!とか言われますけど・・・とんでもないですよ。
「絶対に失敗できない」って緊張感の中でやる作業と、趣味でやってる作業は
たとえやってること同じでも中身と仕上がりは格段の差があります。
使う工具も、気を使うポイントも、手順や押さえどころも。もう全部、なにもかも。
自分の本業に置き換えてみたら分かると思うんですよ。
私だって趣味で溶接やってる人と比べられたら・・・「あんまナメんなよ、ド素人が」って思いますからね(笑)
コトが単車なら作業以前に選ぶ部品の段階から違いますから。
こういう使い方ならこれとこれだ。これを組み合わせて、でもって対策はこうだ。
それこそがプロのノウハウって奴で。
カタログの宣伝文句鵜呑みにして、なんか凄そうだからコレ組む!みたいな私らとはそもそも違います。
ブログやったりレースしたりで、たくさんのプロの人と話したりする機会が増えたんです。
そうして出来上がった単車を見たり、仕事の内容を聞いたりすると・・・まあレベルが違うなと。
どーやったって敵いませんよ。すげえ差です。
それがわかるようになっただけ、私も少しは成長したってコトなんでしょう(笑)
さ、長い脱線はここらへんで。
まさかの11/100mmでしたw
まあいいってことよ。直せばいいんだから!
途中でフライホイール触ってるのは「ここらが数値低い部分だからこのへん押せばいいな・・・」って
当たりをつけているんです。
んじゃやっか!
S&Sのクランクに比べると、あきらかに反応が良くて。
最初ちょっと行き過ぎちゃいました。
クランクピンの径も違うしS&Sのが強度があるせいでしょうか。
追い込むのも戻すのも簡単でした。
たいした苦労もなく1/100mmまで持ってくることが出来ました。
ほっほっほ。こりゃいいぞ!
そしたらドライブ側も出して、最後はシャコ万とバールで微調整でよかろう!
そんな風に思ってたんですが・・・おや?
芯出しやる前に気がつけよ!って話なんですが。
減ってない部分となんか掘れちゃってる部分があるのが分かります?
ここはカムサポートプレートの軸受けブッシュと接触している部分です。
11/100も振れてたら、そりゃやっぱこうなるわな・・・
ゲージの数字ばっか気にしてて先端部分に気が回ってませんでした。
木を見て森を見ない・・・とはちょっと違うかなw
でもこういう無駄な手間かけちゃうのが素人作業の悲しいところです。
サポートプレート側のブッシュは部品で取れますが、肝心のシャフトの方がこれじゃあちょっと不安です。
回して壊すんなら上等、と強がってみても出来たら壊れずに済んだ方が良いに決まってますw
もしもコレ組んでオイル入れてグルグル回したときに、シャフトの穴からじゃなく
シャフトとブッシュの隙間からオイルが染み出してくるようなことになったら・・・
また初めからやり直しですからね。
そうなったらさすがに心が折れるんじゃないかと思います。
仕方ない。この純正クランク使うのは諦めよう・・・
そのように決めたのは片減りを発見した3分後でした。
プレスでクランクをバラしてここを旋盤で挽いて、もう一回組みなおして芯出し。
さらにブッシュをワンオフして入替えとかやってたら、おそらく新品買えると思います。
そもそも純正のクランクはダメになったらASSY交換、そういう造りです。
しかし、S&Sのこのクランクは違うんです。
テーパーベアリング抜きますね、それが分かりますから。
うわ。ベアリング痛んでるな・・・
タフさが自慢のティムケンテーパーベアリングですが真ん中あたりが凹んだみたいに減ってます。
ストレスかかってたんでしょうねえ・・・ごめんよ。
最初からある程度ケースは緩いんですが、さらにガッタガタになってました。
ケース側はまたシャーシに戻しちゃってんで写真はあとで覚書的に撮っておきますが、
レース側にも全周に渡って擦れ痕がありました。
そうそう、シャフトの件。
ここんとこ、赤い矢印のトコに切り欠きがあります。
現行の 4-1/2 strokercrank #320-0403は
カタログによると3ピースクランク (左右フライホイールとコンロッドAssy)のようですが、
このクランクの品番は #32-2242 5ピースクランク
(スプロケシャフト、左フライホイール、コンロッドAssy、右フライホイール、ピニオンシャフト)です。
ペンパイナッポーアッポーペンで言えば、ペンの部分を差し替えられるみたいなんです。
というわけで現状では差し替えてこっち使うしかないようです。
しかしながら、パイナップルに突き刺したペンと違い、
抜くにも入れるにも苦労でしょうけど・・・もしかすっと内燃機屋さん相談コースかな?
もしダメだとか、全部ばらさないといけないからすっげー費用になるよとか。
そういう話になればそのときはDSKさんのまさしく悪魔のささやき、
OH前提だけど在庫あるよという、4-3/8ビレットSEクランクの組み直しか・・・w
だんだん成り行きでエンジンの仕様が絞られてきました。
仕事がそんなにテンパってない今のうちに、
シリンダー込みで内燃機屋さんに相談に行ってみようかなと考えております。
あ、次こそプライマリーです。