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闘うダイナ FXDXT改造計画 その2 BPFフォークOH 前編

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先日作成した図面を元に17インチ化のシュミレーションをしてみました。

フォークやステムは準備してあるもので計算します。

まずタイヤ径変えて・・・
んでリアはこんだけ上げたい・・・
そうすっとすげえ前のめりになるからトレールは・・・
わははは。計算上80切ってる!えらいこった

となると用意してるフォーク長はこれだから・・・
んでステムオフセットをこのパターンでは・・・
リアは上げすぎてもチェーンがピボットに干渉しちゃマズイからこんなもんで・・・
うーん、やっぱ若干足りん。もうチョイなんだ。

じゃあフォーク伸ばしてやって、ステムをこっちにすれば・・・
おお。なかなかいいとこだ。

スイングアームは目指す垂れ角とリア車高が
バランスする位置でサスのマウントを溶接することにします。

フォークは突き出し等でアジャスト出来ます。
リアサスは車高調整とマウントベースを4穴位にしとけばそちらも調整可能、と。

まあ・・・
知ったげに図面上でアレコレ計算しようが、走るのは単車。乗るのは私。
実走してみないことにはどんなもんだか(笑)

ただ走らせてみてなんか変だとか、なかなかいいなとか。
そういった感覚を裏付ける助け位にはなってくれるんじゃないかと思います。


さて、能書きはこんなもんで。
早速使用するフロントフォークのOHに仕掛かります。


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17インチ化にあたり用意したフォークはこちら。
XR1200Xの純正、SHOWA製BPFフォークになります。

Big Piston Front Fork 略してBPFフォーク。
なんかエラソーですねえ・・・これがエライらしいんですよ。

他にこのBPFを純正で採用してるのは
CBR1000RR、GSXR1000、ZX-10R、899panigale等
今をときめくスーパースポーツ車だらけです。
なんだってこんなグレードのフォークがハーレーに装着されることになったのか?
長年のSHOWAとの関係なんでしょうか。

少なくとも2010年当時では最先端に近いフォークでした。

ですがネット上での評判は・・・あんま良くないみたいですね。
従来のカートリッジフォークのほうがいいとか、エア抜きが面倒とか、指定オイルが固いとか。
中には最悪!と言い切ってる人も居たりなんかします。

正直、コレ最高!っていう評価は見つけることが出来ませんでした。

でも私は基本体感主義ですのでネットの評判は参考程度にしか考えておりません。
むしろ悪ければ悪いほど、理由は良く分かりませんがなんだか燃えてきます。

もっとも、そういうタイプでなければダイナでサーキットを走らせていられませんヨ。


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以前、ブライトさんがこいつをどーにかしようと、一生懸命頑張っていたことは知っています。

志半ばにして「BPF⇔オーリンズ及びフロント廻り一式」という、
まるで理解不能な不均衡スワップによりオヤビンさんのもとへ。

オヤビンさんはなにも手をつけず、そのまま放置しており、
それを嗅ぎ付けた私がオヤビンさんから無理矢理に強奪しまして。
結果、現在私の目の前にある。

このフォークはそういった流れになっております。

そーいえば思い出しました。

このBPFからオヤビンさんお下がりのオーリンズに換装した時を境に、
ブライト@XR1200は工場長@ダイナを
徐々にサーキットで置き去りにするようになったことを・・・

ネットの評判と過去の実際の出来事とは重みが違います。

そこらを思い出すに至り、若干の不安を抱えつつOH作業に掛かります。


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まず工具。

バラシてみて知りましたがBPFは構造的には比較的簡単に出来てまして。
実際部品の点数も少ないです。
ただし、今までのカートリッジフォークとは異なる工具が必要です。

そこらがまだこのフォークをアレコレと弄る人が少ない理由の一つかと思われます。

必要なのはこの2点。
左がロッドガイドケースレンチ、右がトップキャップレンチです。
XR1200Xで検索して海外製の工具の値段調べたら・・・高っ!

ですがBPFは現在SHOWAでしか作ってませんので、そんならホンダかスズキかカワサキ。
それらのメーカーの特殊工具取り寄せればいいんだと気が付きまして。
神原さんトコでホンダの純正工具取ってもらいました。

さすがは特殊工具、ロッドガイドケースレンチのローレットは後で大変役に立ちました。
トップキャップレンチは樹脂製で、キャップを痛めないようになってます。
うーん・・・やっぱ特殊工具っていいなあ。

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あとはどってことない工具でOK。
17mmと19mmのレンチ、そーです。SHOWA製なんですべからくミリ工具です。

あとはマイナスドライバーとピックツールくらいしか使いません。
本格的にバラバラにするなら、バイスやらレンチやらもうちょい使いますけどね。
シール交換程度ならこんなもんです。

フォーク作業には付き物のインパクトレンチも要りません。

勿論各作業にはコツやらキモやらは存在すると思いますけど、
特殊工具さえ揃えればメンテは楽な部類に入るんじゃないかと思います。

あ、フォークオイル関係の工具は別に必要ですよ、念のため。

さあ、おっぱじめます!
今回は初めての作業ですし、備忘録兼ねて細かめに書き残しておきます。


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BPFのプリロード調整はココです。
全緩め状態にしてからトップキャップを緩めるよう指示があります。
そこらは従来型と同じですが、なんせ位置が正反対w

いきなり従来のカートリッジフォークとの違いを体験することになります。
ちなみにMAX8回転でした。
後で確認してみたんですが、この部分の調整は±7mm程度でした。

普通のカートリッジフォークなら±20~30mm位の調整範囲がありますので・・・
大分ここの調整範囲は狭い印象です。

カラーの長さの調整やバネレートの選択を最初にある程度詰めておかないとだなあと、
そんな風に思いました。


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BPFの特徴である、二つ並んだ減衰調整ダイヤル。
普通のだとトップキャップに伸び側、フォークボトムに圧側ですもんね。

カワサキだと確かココ赤だったかな? 
「こんにちは!ボクBPFです!」目一杯の主張をしております。
そんなアイキャッチ部分でもありますので、モンキーでむりっくり開け閉めしたりして
キャップを傷つけるのはちょっと困っちゃいますね。



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お待ちかねの特殊工具の出番です。
傷つけずにナメずに、気持ちよく工具が掛かります。

ちなみにこのホンダの工具の差込は1/2でした。
通常使いの3/8から変換するアダプターか、1/2差込のブレーカーバーとかが必要ですね。


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外しても中からバネごとバビーン!と出てくるわけじゃありませんので、あわてないでいいです。

通常ならステムにセットした状態でやる作業かと思います。
外してだとちょっとつらかったです。キツメに締まってましたから。


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で、続いてもう一つの特殊工具。ロッドガイドケースレンチです。
上の写真の逆12ポイントみたいな部分に嵌めて回します。

これはかなり締まってました。
下からスプリングに押されてるってのもありますけども。

このロッドガイドケースはインナーチューブに付いてます。
なもんでこの部分外すまではアクスルシャフトは抜かないでそのままのがいいかと。
当然ですがインナーチューブを固定しとかないと、100年回したって緩みませんからね。
私は単体の状態でやりましたんで結構手間でした。


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外すとスプリングの勢いで少しブワっと来ますが、たいしたことないです。

それよか緩んだからって喜んで引き抜くと、
ケース内に溜まってるフォークオイルをそこらにブチまけることになります。

そーっと引き抜いたのがいいです。

で、この引き抜いた一式。これが減衰装置のASSY
一番下のが名前の由来でもある、ビッグピストンってことになります。


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並べてみるとこんな感じです。

要するにBPFの肝は「インナーチューブをまるごとカートリッジとして使ってしまう」
ということなのかなと思います。
その分ピストンもシムもでっかくすることが出来るわけで、それによって減衰の安定性を生むと・・・
なるほど。

なおかつスプリングはロッドガイドケースの下にある為
最初からフォークオイルの中に浸かりっぱなしです。
従来型は上のほうちょっと油面から出てます。特に正立だと結構飛び出します。
ストロークの際にフォークオイルを泡立たせる事は一切無いわけです。

なぜだ?
ここまで悪いところったら、プリロードの調整範囲が狭い、新しい特殊工具が要る、くらいのもんで。
他はいいことしかないような気がするんだけど・・・あの評判の悪さはなんなんだろう?(笑)
まあよい。先に進もう。


イメージ 13

「一度も換えた覚えはない」とブライトさんは言っていました。

少しにじみも確認できましたし、なにしろ中古のフォークです。
シールの交換位は常識です。

削り加工も美しいBPFフォーク、変にこじってキズ入れたくありません。

マイナス当てて慎重にハンマーでコツっと叩き出します。

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ダストシール外して、オイルシールのCリングをマイナスでおっぱずしたらあとは正立と同じ。
スライディングハンマーの要領でインナーを引っこ抜きます。

・・・あららら。スライドメタルが結構減ってますな。


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コーティング部分はきれいなもんですが、母材部分は結構減ってました。
もうちょいいいかなと思わなくもありませんがこういう機会ですので換えちゃいましょうか。

XRが軽いとはいえ、それはハーレー内での比較の話。
他と比べたら260キロってのは異常な重さです。サスペンションも頑張ってくれてるんでしょう。


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さて、調整部分を外してみました。
19mmと17mmのレンチを使い、ロックナットを緩めれば外せます。
これで調整部分のキャップに嵌っているOリングを交換できます。

ちなみに、ハーレーのサービスマニュアルでは分解はここまでにしておけ、と書いてあります。


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ええ、勿論シカトでバラしますよw

調整部であるトップキャップにはラバーダンパーが嵌めてあります。
真ん中のゴムがそうです。
底付き・・・倒立だと逆かな? 呼び方はどうでもいいやw
とにかく行き止まりはオイルロックピースとかじゃなく、
この25mmくらいのラバーダンパーで直接受ける仕組みのようです。


もうちょいバラします。
だって調整部がどんな感じになってるのか?見てみたいじゃないですか。


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ヒートガンとバイス使わないと無理な位固かったです。
カキーンと外れました。


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ほえー・・・こんなもんでか?
可動範囲は5~6mm位のデリケートそうな作りでした。

これがアルミのチューブと、中のアルミの棒へ別々に圧をかけることで減衰をコントロール・・・
ここらの仕組みってバラす度に「こんなもんで?」と不思議になります。
まだ完全に伸び縮みの際のオイルの流れを、本質的に理解できていないせいかと思います。


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そのへんが理屈じゃなくてちゃんと理解が出来れば、
次はシムをどうするこうする、とかの考えも出てくるようになるかなあと思うんですけど。
まだ勉強が足りませんね。
乗ってみて感じて、でもってもっかいバラしたらまた新しい考えが浮かぶかも、と期待します。

今の段階で分かったのは・・・
COM(圧側)でトップキャップ寄りのシムを、
REB(伸び側)でボトム寄りのシムに圧をかけてるんだなあ、程度でした。

・・・あ、つまんないねw 先行きます。


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ここで社外品の登場です。

今回BPF採用に当たっての決め手となったのはこの部分も大きいんですよ。
「延長キットが市販で出てる」
ベビーフェイスから出てるトップキャップは約30mm延長することが出来ます。
(もっとも、こういった延長のジョイントは業者さんへ注文すれば製作はしてもらえるはずです)


エキパイやらバックステップやら、なにやらワンオフが多くなってきたダイナですが・・・
別に「ワンオフ万歳!」とか、「世界に一つだけの部品がうんやらかんやら」とか
あんまそういうスタンスって好きじゃないんですよ。

お前が言うか?といわれたら返す言葉はありませんけど、
私自身は市販のパーツで単車が作れたらそれに越したことはないと思ってます。

私は芸術より娯楽のが好きなんです。
美術館行かなきゃ見られない有名な絵より、コンビニ行って買ってくるジャンプのがいいです。
1本数百万のワインよか、ウチの冷蔵庫にあるエビスのロング缶がいいんです。
・・・ちょっと違うかw

無い物は作るよか仕方ありません。
でも、あるならば市販の部品使いたいです。



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延長KITに調整ダイヤル取り付けたらあとは折り返しになります。


フォーク内のOリングやブッシュはカワサキから取りました。
BPFはSHOWAしか作ってないんだからどこのでも同じだろうと思ってのコトです。
(でも600と1000等でインナーチューブの径の違いはあるらしいです。)
でもあくまでも勘ですのでなんか間違いがあったらヤです。
だもんでいちいち品番まで記載するのは控えておきます。

ディーラー行ってハーレー純正注文するのがベストなのは言うまでもありません。


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オイル&ダストシールはこちら、SKFのシールです。

以前fxd02さんにもらってから39mmフォークで使用して以来、
もうこのシール以外使う気がしなくなってきました。
片側で4000円越えのかなりお高い品物ですが値段差はまるで関係ありません。
色もなんだかエゲツないですが、一向に構いません。むしろこの色が好きになってきましたw
これしかないです。

ダイナでサーキット行きますと、まあ1回走ればフォークオイルが滲みます。
ストロークさせるとその部分が虹色になるって、アレですよ。
2回目終えるともう、漏れてるって状態になります。目視で分かるレベルです。

ダイナは重いんで底付きするまで沈ませますし、んでサーキットってタイヤッカスで結構汚れます。
防止しようにもスタビつけてるんでダストカバーもつけられません。
普段は陽にさらしてますし、ゴム製品にはいい条件とはいえませんね。
もうどうしようもねえなと諦めてたんです。

これはJAMESでも、また純正でも同じでした。
なもんで年に3回位は仕方なくシール換えてました。
これも必要経費だと思って。

ところがこのSKFで組んで以来・・・3月からサーキット何回行ったかな?
VDA入れて8回か?
・・・なんっともない! 

漏れは勿論、滲みすらないんです。

フリクションどうこうは私レベルじゃわかりません。
でも明らかに耐久性は3倍以上です。
手間考えたら値段差なんかブっ飛びます。

読み返すとまるでTVショッピングのアオリですがw
なにか機会がありましたら、騙されてみる価値はあると思いますよ。
(ちなみに私とメーカーとの利害関係は一切ありません。)

とにかく私はもう、コレ以外使えません。
倒立フォークなら尚更です。


イメージ 27

そしたら後半に続きます。



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