熱引けを待ってる間にこっちやりましょうか。
白っぽくなってしまった塗装の表面を復活させます。
使用するケミカルはワコーズのスーパーハード。
定価6500円、市価4500~5000円する高級品!
樹脂用のケミカルですが塗装面にも効果アリなんです。
付属のスポンジにケチったく浸み込ませて塗り塗りすると・・・
コレもんですわ!
まるで新品!・・・は言いすぎ?(笑)
アーマオールをスプレーしてもこんな感じに仕上がりますが、こっちは持続性が違います。
パッケージには6ヶ月とあります!
まあ、状況次第でしょうけどね(笑)
でもアーマオール等の界面活性剤よりはずっと持ちます。
熱の掛かる部分にも対応してるんでエンジン系の部品でもOKなのが気に入ってます。
バラしたときにコレを加工して、
褪せてきたらアーマオールでどうにか持たせる、ってのが定番になってます。
しばらく放置してから毛羽立たないTシャツ地のウエスで乾拭きして終了です。
「黒い部分は黒く、光る部分は光らせる」
それだけで単車はキレイなんだと、いつもピカピカな00年式ナイトレ乗りの板さんは言います。
おっしゃるとおりかと思います。
板さんほどマメじゃない私は、ケミカルの力に頼っております。
洗浄液浸け込みで落ちなかったカーボンに第二次攻撃隊を繰り出します。
マスキングして剥離材を筆塗りです。
バルブは外し、こっちは物理的に磨いて汚れを落とします。
いつものようにボール盤に咥え、ワイヤーブラシとペーパー研磨です。
エキゾーストバルブに焼きついたこんなカーボンも・・・
はい、このとおり。
ピカピカになります。
磨いたからどうだってのはナシで。
ちゃんと掃除したっていう満足感が欲しいんですw
右側はキャンプ解散後に工場に手伝いに来たバシ君の足です。
そんなバシ君にも手伝ってもらいつつ、燃焼室とポートに残ったカーボンを除去。
ついでに磨きまでやってもらいました。
マザポリとホワイトダイヤモンドを使用してます。
「バルブシートには絶対に触るな。合わせ面にも触るな。
エキゾーストポートは気合入れろ。インテークは・・・そこそこでいい。」
色々と注文はつけております(笑)
一部ヒートスポットがありましたのでそこは修正してバフがけ。
そこらの燃焼室加工に関しては、さすがにバシ君にやらせるわけにはいきません。
私がリューターで加工しましたよ。
前回組み付け時の前だったかな?
バルブガイドの入れ替えとシート交換を内燃機屋さんに出す際にかなり燃焼室を削りました。
削っては磨き、やりすぎたらTIGで盛り直して、再度削り&磨き・・・
シートカットが終わって帰ってきたヘッドを、今度は容積測定して、
そしたら容積を前後で合わせる為にまた削って磨いて。
測って削って削って測って・・・一体何回やったんでしょうか?
シリンジを触ったのは中学以来でしたが、その扱いもなかなか上手くなりました(笑)
とにかくお陰で「どんくらい削ったらこのくらい容積が増す」って目安が付くようになったんです。
人間って結構すごいですよ。それこそ0.5cc単位で分かるんですよ、マジで!
もっと何機もヘッドを触ってれば、もっともっと精度を上げることが出来ると思います。
でも、燃焼室形状も勿論大事だと思うんですが
もっと影響があるのはポート形状のほうなんじゃじゃないかな?と最近は思います。
各メーカーはこぞってポートをCNC加工してますし。
駅の通勤ラッシュで渋滞を起こさないために大事なのは何かと考えてみたら・・・
どっちかといえばホームの形じゃなくて通路の方じゃないですか?
ヘッドのフローに影響するのは、やっぱ通路であるポートじゃないかなあと考えてるんです。
まだそちらの方のノウハウはありませんので、
出来たら色んなヘッドのポートを見たり触ったりしてみたいですね。
特にジッパーズ等に代表される、ノーマルヘッド加工のポートとかすんごく見てみたいです!
・・・誰かやってくんないかな?
やったら組む前にどーかオレに見せて下さい!(笑)
本題からの脱線が激しいのが私の記事の特徴です。
どうか慣れてください。
今回S&Sのクランク組むんです。
前回はスクリーミンのクランク組むんでスクリーミンのオイルジェットに換えました。
なもんで今度はS&Sのオイルジェットに換えます。
右のスクリーミンのと比べると、ずいぶん短く、またストレートな形状です。
それに鋳造ではなく、削り出しの様に見えますね。
こんな小さなものを・・・凝ってるなあ。
うん、性能とかはよく分かりませんがとにかく好みの部品です!
ケースをよーく洗浄した後、穴という穴にエアーを吹きまくってから
Oリングを忘れずに入れ、青タイトを塗ってオイルジェットを取り付けます。
タップ穴も残らず、中から何も出なくなるまでエアーを吹き込みます。
ケースに限らずにヘッドや他パーツも同様です。
「OHの際にはネジ穴全てにタップを通しなおして清掃する」
そんな人もいるようですが・・・私は賛成しかねます。
新品の部品の為、タップ穴にまでメッキが掛かっている。
タップ穴にエアーでもまるで取れないくらいにロックタイトが詰まってる。
絶対に!タップサイズを間違えない自信がある。
山をつぶさずにまっすぐにタップを立て直せる自信がある。
エアーコンプレッサーが無い。
そうでなければ、素人レベルじゃ失敗するリスクのほうが高いと思うんです。
山を傷めずにキレイに目通しするって意外と難しいですよ。
大体タップのほうにカスが溜まってしまったら、それ入れただけで逆効果になります。
大抵ネジ山を傷めて取り返しが付かなくなります。
タップは一回一回清掃するとか、いちいち油くれてやんないと本来はダメですから。
それにタップなんてそもそも使い捨てです。
ボルトの山をワイヤーブラシで磨き、
ネジ穴の方にはパークリ吹いて、掃除したボルトにはラスペネ。
で、ボルト入れてみて手でスムーズに入ればOK。
ロックタイトする箇所なら、再度両方をパークリ洗浄し、乾燥後に締める。
こっちのほうがリスクは無いし、いいと思うんですよ。
よっぽど渋いとかの特殊な場合の他は、あんま余計なことしないのが身のためです。
「目立てしてネジ穴がキレイになった!」というちっぽけな満足感の代わりに・・・
サイズ間違えたとか、変な場所で刃が食って2重にタップ立てちゃったとかの、
結構な代償を払う可能性が高いと思います。
また脱線だ・・・
新品ベアリングセットです。
レフトケース(B面側)のベアリングはEVOと一緒です。
勝手知ったるティムケンベアリング、テーパーベアリングとレースが各2個、
向かい合うそれらのクリアランスを決定するCリングが2個。
メーカーでクリアランス調整されて順番に並んでますので、それを崩さないように順番に取り付けます。
最初にケース側にでっかいCリングを。
オイル穴をふさがないように開口部の位置を調整します。
ちなみに取付にはSSTが必要です。
この後レースをこのCリングをはさむ形で取り付けます。
これまたSSTを製作してプレスで圧入しましたが・・・
以前のようにバーナーで炙って入れたほうが簡単だなと思いました。
平行をとるのが結構難しかったです。
さて、手持ちのクランクでも並べてみましょうか。
左からTC88純正、スクリーミンの4-3/8、S&Sの4-1/2です。
こう見るとS&Sのクランクは刃物の挽き目があってなんかカッコイイですね。
先日Vブロックを使って単体で測った振れは、ピ二オン先端で1.5/100でした。
プレスインのクランクピンなもんで、いまさらこの振れをどうこうってワケにはいきません。
EVOまでの組み立て式なら納得いくまで芯出しできるんですけどね・・・
そこらがツインカムになって寂しく感じるポイントです。
ちなみにクランクピンの溶接はしません。
S&Sはクランクピンの真ん中に、締め補強用のフタを圧入してあるようです。ナイスです。
私が変に溶接して熱歪が出るよりもそっちの方が安心です。
メインパーツを前に、なんだかココへ来て盛り上がって来ました!
ライトケース(A面側)を台にしてクランクを置きます。
これからB面側のクランクシャフトにテーパーベアリングを圧入するんです。
順番をそろえた通り、一番内側に来るベアリングを入れて・・・
ウルトラスリック塗ってSSTで締めていって・・・
・・・相変わらず固いなあ・・・
寸法と材料がいいことは良くわかったけど面倒だ・・・こうなったらアレだ。
『おーい!お助けマーン!』
・・・ドドドドドド・・・キュィッ!(←駐車場に入ってくるローグラの音)
『お呼びですか課長!
増し締め課と課長をこよなく愛する電気設備戦士、
合言葉は ”24時間?キツイ冗談はよして下さい、72時間働けます。”
ご指名ありがとうございます。アナタのTR、只今参上!』
登場の挨拶が長げえよ・・・w
とにかくちょっとそれ頼むわ。EVOんトキも一緒にやったろ?
あんときと違って今回はクランクピンのナット締めろとかは無いし、SSTもちゃんとした奴だから。
『了解です!こいつを締め上げればいいんですね? エッサエッサ・・・』
ものすごい速さで圧入されていく様子を半ば呆れ顔で見つめるバシ君。
バシ君、パイプレンチ持ってくるからさちょっと手を貸してあげてよ。
これJIMSの工具なんだけどさ、やっぱケントムーアの工具のが一枚上みてえだ。
押さえがイマイチよかねえ。
『そうそうバシ君ソコ持って。後はオレがグイグイ入れてくからさ。』
うーん、素晴らしい光景だ・・・
オレは口出す以外何もしてないのに、
あとは写真取ってる最中に勝手にベアリングが圧入れされていく(笑)
『課長、なんかもう固いんですけど。』
オイ待て!アナタの力でそれ以上締められたらベアリングが逝ってまう!
ソコで行き止まりでいいんだ。お疲れ!
『そしたら課長、なんか一筆入れないと!』
そーだね・・・したっけ「145mph」に「ダイナ魂」に・・・後何にすっか?
悩んでる間にTRさんに挑戦的なセリフを書かれましたw
ちょっと端折りますね。
そしたら合わせ目にトヨタブラックを塗り、
ダウエルにOリングを忘れずに嵌めて、レフトケースを乗っけます。
そして向かい合わせのテーパーベアリングを、
再び2人に圧入してもらったらボルトを締めてケース完成です。
ケースをフレームに乗っけます。
ダウエルピンがあるので気持ちよく合さりますね。
フロントのマウント2本、連結ボルト4本でしっかり止めます。
一番上のベントホースは使いまわし、
でもフィード(一番下)とリターン(真ん中)のホースは
前にTRさんにディーラーで注文してもらった純正の新品に交換しました。
新しいホースはしなやかで大変結構です!
んじゃ、今日はここまでにすっか!お疲れ!
借りていたシリンダーとピストン、
それに預かっていたXRのタンクカバーの引き取りにブライトさん&ナナさんが来てくれました。
お土産は私が首から提げているこのタオル、
「闘魂」と書いてある、アントニオ猪木純正のタオルを3人それぞれに差し上げました。
いや、たまたまロックタイト買いに行ったアストロで見つけたもんで(笑)
私、プロレスはそうでもないんですが猪木が好きなんです。
あのブレない感じ、やっぱ普通じゃないです。
「元気があればなんでも出来る!」
年取ると、まずその元気を出すことが凄く高い壁になるんでしょうけどね(笑)
こと単車に関する限り、私はいつ何時でも元気を出すことが出来ますヨ。
元気があれば何度でもエンジンを開けられる!
ご唱和くださーい! えくぞー! 1・2・3・ ッダー!
※ 私はTRさん&バシ君、ブライトさん&ナナさん、昼間にはまさみさんが来てくれた事、
そして新しいクランクの組み込みに浮かれ、この時点でミスを犯しております。
そのため再度ケースを割ることになりますが、それはまた続きの記事で。
今日は出勤日なんです。仕事に戻りますw